大阪大学経済学部の過去問は下記の通りです。
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経済史の対策
50点満点。対策の重点は近世以降の日本経済史です。
世界経済史は日本経済史を勉強すれば一緒に勉強せざるを得ない産業革命期や両戦間期の世界経済を中心に出題されます!
対策方法はこちら↓
第一章 「近世経済」の成立と展開
- 石高制について、この制度の内容を説明しなさい(2021)
第二章 移行期の日本経済
- 幕末開港によって、日本経済にはどのような変化が生じたか(2019)
第三章 「産業革命」と「在来的経済発展」
- 「産業革命」とはどのような出来事であり、またそれは世界経済の歴史においてどのような意義を持ったか(2019)
- 松方財政(松方デフレ)について、この政策が行われた理由(原因)、政策の内容、この政策が日本経済に及ぼした結果を説明しなさい(2021)
- 近代日本の財閥について、それがどのような特徴を持つ企業集団であるかについて、欧米のコンツェルンや戦後日本の「企業集団」との相違を明らかにしつつ説明しなさい(2016)
第四章 戦間期の日本経済
- 第一次世界大戦によって日本経済はどのように変化したかについて400字程度で簡潔に説明しなさい(2020)
- 第一次世界大戦によって日本経済はどのように変化したかについて説明しなさい(2019)
- 大恐慌(1929年)について、それが発生した原因(背景、理由)と、それが世界経済に及ぼした影響について説明しなさい。(2021)
- 両戦間期の大恐慌(世界恐慌)について、世界経済がこれに陥った原因について説明しなさい(2016)
- 両戦間期の大恐慌(世界恐慌)について、欧米諸国はどのような政策(方法)を用いて景気の回復を図ったかについて説明しなさい(2019)
- 両大戦間期の日本における電力業の発展は、国内産業にどのような影響をおよぼしたかについて説明しなさい(2016)
第五章 日本経済の連続と断絶
- 第二次大戦後の占領軍による「戦後改革」のうち、「経済民主化」が日本経済に与えた影響(変化)について説明しなさい(2019)
第六章 高度経済成長
- 1950年代後半~70年代前半の日本において高度成長が可能となった理由(原因)を説明しなさい(2021)
- 戦後の日本における流通革命について、いかにして展開したかを説明しなさい(2016)
※教科書に載っていない用語もかなり出題されているので各自で過去問は入手してください。特に受験なさるかたはご自身でも対策を検討してください。
3年次編入試験・2019年度
問題
第二次大戦後の占領軍による「戦後改革」のうち、「経済民主化」が日本経済に与えた影響(変化)について説明しなさい(2019)
解答例
経済民主化が日本経済に与えた影響(変化)は、高度経済成長期に因果関係が可視化された。経済民主化とは、①労働者の権利の保障(労働三法)、②自作農の推進(農業生産者が土地所有者)、③財発解体(安定大株主の禁止)など、自由主義的な市場経済の土壌だ。しかし(i)新卒一括採用の普及、(ii)地縁集団として農村、(iii)メインバンクシステムなど、高度経済成長期の日本は、米国の思惑に対して外見的な自由主義的市場経済に留まっていた。(iii)は典型的で、安定大株主が不在の企業経営者らが経営の安定を考えた結果である。
戦後直後の日本経済は、①戦災国に典型的なインフレーションとモノ不足に苦しめられていたし、占領軍による②民政化(文民統制の民主化)と、③非軍事化(対外戦力の無害化)の影響も受けていて、低成長だった。占領軍の戦後改革は1949年に大きな方針転換をしている。それは冷戦が始まった直後の1949年に、資本主義の貿易グローバリズムへ日本を巻き込んでいくべく方針転換であった。超均衡予算等によるインフレ抑制措置や一ドル360円の固定為替レート設定等の貿易環境の整備等を主導したものであった。さらに1950年の朝鮮戦争勃発による朝鮮特需によって、また日本国経済の自律を推奨したことで、戦前の水準に復興したと言われている。
石炭鉱業は、明治期以来、日本経済に重要な位置を占め、占領・復興期(1945年~1955年頃)においても基幹産業の一つであった。ただし1960年代には日本のエネルギー革命(石油への転換)と割安な海外石炭の輸入増大によって日本の石炭鉱業は基幹産業から一転衰退していく。第二次世界大戦後の占領軍は、日本の石炭を米軍の軍需物質(朝鮮半島における戦争の道具)と考えていたという史実がある。日本国内の石炭に関する調査、報告書、統計に関する保存室など厳重に維持(管理)されていたという史実がある。占領軍による経済民主化が即効性を帯びなかった理由もそうであるが、朝鮮戦争を契機に日本国経済の自律を推奨し後に高度経済成長期(前述の様相)があることからも、占領軍の念頭には対リスクファクター(占領軍からみたリスクファクター、そこには日本も含まれる)があったことは容易に想像できるだろう。
統計学の対策
50点満点。この科目の安易な出題予測は禁物。直近3年間は計量経済学、金融工学からも出題あり。データサイエンス的な彩色も豊かになった。それ以前は高校~大学レベルの典型的な統計学の出題である。得点源にするのが最も難しい科目。過去の合格者で統計学を選択したうえで白紙(0点確定)で提出した者もいたとのこと。
年度 | 配点 | 内容 | |
2021 | 24 | 独立な正規分布の合成分布 | |
2021 | 10 | 収益率の平均と分散から期待効用の導出 | |
2021 | 16 | 二項分布の推定量と95%信頼区間 | |
2020 | 25 | 2リスク資産ポートフォリオの平均と分散 | |
2020 | 25 | 一元配置分散分析 | |
2019 | 25 | 等分散が仮定されたスチューデントt検定 | |
2019 | 25 | 線形回帰モデル(単回帰、決定係数、仮説検定) | |
2018 | 18 | ※高校数学レベルの確率の問題 | |
2018 | 24 | 推定量の普遍性と一致性の説明、および分散の不偏推定量の計算 | |
2018 | 8 | ※統計学の基礎的な理解(小問集合) | |
2017 | 28 | 二項分布 | |
2017 | 14 | 一様分布 | |
2017 | 8 | ※統計学の基礎的な理解(小問集合) |